新型コロナウイルスの感染拡大が世界で猛威を振るっているが、最初に感染者を出した中国では規制などが緩和されつつある。
そんな中、中国でマスクをつけたまま運動をした中学生が亡くなるというショッキングな出来事がネットニュースになっていたので紹介しよう。
亡くなった中学生は「運動中」だった
亡くなった中学生はコロナウイルスの感染拡大防止のため「マスク」を装着したままマラソンをしていたという。
マスクをつけたままのマラソンや運動が人の命を奪うほど危険性が高いのか、マスクを長時間装着する際の注意点などを紹介していく。
マスク使用で空気中の酸素濃度は低くなる
人は呼吸をして生きているが、呼吸をするためには酸素が必要になってくる。
酸素は大気中にあり、大気中の酸素濃度は約21%である。この酸素濃度21%の大気を吸い込み、肺で酸素を吸収し、酸素濃度15%となって吐き出す。
マスクを使ってない場合は再び酸素濃度21%の大気を吸い込むのだが、マスクを使用していると酸素濃度が低くなってしまう。
マスク使用中は酸欠に注意
マスクを使用していると酸素濃度が約15%の大気を再び吸い込むことになる。マスクの付け方や種類にもよるが、性能の高いマスクの場合は一度吐いた空気を再び吸い込む感じになる。
短時間のマスクの使用の場合は、酸素濃度が15%の空気を吸い続ける時間が短いので大きな問題ではないが、マスクを長時間使用する場合は酸欠の症状に注意したい。
そもそも酸欠(酸素欠乏症)は大気中の酸素濃度が低く、その空気を吸い続けることで体内に取り入れる酸素の量が不足し体調が悪くなるものである。
多くは下水道・井戸・タンク・洞窟などで作業員がなりやすい症状である。
地上で風通りの良い場所にいても酸素欠乏症になる危険がある。マスクを長時間使用すると酸素濃度の低い空気を体内に取り入れてしまう。
酸素濃度の低い空気は体内に入っても、肺で酸素を吸収することができず酸欠の状態になってしまうのだ。
人間は酸素欠乏症の状態になると頭痛・眩暈(めまい)・吐き気・脱力感などを発症する。
酸素濃度によって少しづつ症状に違いがあるので注意も必要だ。
- 酸素濃度16%…呼吸・脈拍数の増加・頭痛・吐き気・集中力の低下
- 酸素濃度12%…筋力の低下・眩暈(めまい)・吐き気・体温上昇
- 酸素濃度10%…顔面蒼白・チアノーゼ・意識不明・嘔吐
- 酸素濃度8%…昏睡
- 酸素濃度6%…痙攣(けいれん)・呼吸停止
実際に筆者が体験した酸素欠乏症の症状
新型コロナウイルスの感染拡大の防止と感染予防のため多くの国民がマスクを使用しています、私もその一人で仕事中もマスクをつけています。
私の仕事は荷物を現場まで運び降ろす仕事をしていますが、結構体を動かします。
運転中は体の動く量は少ないので呼吸が速くなったりすることはないので問題ありませんが、荷下ろしをするときはさすがに心拍数と呼吸は上がります。
私が使っているマスクは顔との密着性がよく、心拍数と呼吸が早くなると苦しくなるのです。しかし荷下ろしの現場にはお客様もいるのでマスクを外して作業することはできません。
コロナウイルスの感染拡大が落ち着き、緊急事態宣言が解除されるまではマスクは絶対に必要なのです。
荷下ろし作業の途中や作業終了後に頭が締め付けられるような痛みを感じることがありました。今思えば酸素欠乏症の症状だったと思いますが、その時はそんなこと少しも思ってもいませんでした。
現場作業が終わって車内に戻ると、頭痛の原因を考えながらマスクと帽子を外します。するとどうでしょう、頭痛はすぐになくなり体は楽になっていくんです。
頭痛や呼吸数脈拍数の増加・微妙な体温上昇などの症状は見事に酸素欠乏症です。
私が感じた症状では、酸素濃度16%~12%の症状と一部一致していました。もし症状を我慢して作業し続けるともっと恐ろしい状態になっていたかもしれません。
マスク装着時に注意しないといけない点
- マスク装着時は30分に1回程度、周囲に人がいない場所でマスクを外し深呼吸をしましょう。
- 口呼吸はしないようにする。口で呼吸すると苦しさを助長します。